二子玉川心理ケースワークオフィス

怒りは早めに解消するがお得です(後編)

桂先生の著作「心身症患者学入門」(絶版)
池見酉次郎先生の「心療内科」と共に私の宝物であり
心理カウンセラーを目指すきっかけになった書物です。
ちなみにアマゾンで調べてみますと、ナントびっくり「心身症患者学入門」に
20852円の高値が付いていました。
思わず、笑みをこぼしてしまいました。さて、前回の続きです。

桂先生は「感情が抗菌力を左右する」という仮説をお立てになります。
そして、九州大学の池見先生の元で催眠を学び、患者Yさんに被験者の
お願いをしYさんに催眠を施し、Yさんが催眠導入がスームーズになってきた時点で実験開始。

実験手順:

それぞれの血清にチフス菌を培養し菌の繁殖度合いを検討する。
楽しい暗示とは、この被験者は新聞の仕事をなさっていました。
「あなたの会社の新聞は評判いいですよ。街のためになっていますよ。」
などの賛辞を、思いつく限り言い褒めちぎります。
不愉快な暗示は、「今まで言ってきたことは、みんなウソ、あなたなんか評判悪いよ。」
と始まり次から次へと罵詈をなげつけるのです。それも、ただ黙って聞くしかない、
言い返すことのできない状況でです。

さて、その結果!
なんと、抗菌力に21:1の大差が出てしまったのです。
抗菌力の値がB血清1にするとA血清は21になったのです。
不愉快な暗示を30分与えられ、怒りが持続すると、
楽しい状態に比べ1/21に抗菌力が下がってしまうという結果出たのです。

前編での桂先生の怒りの時間は4、5時間であったわけですから、
先生だけ赤痢にかかるのも無理はありません。かなり抗菌力が落ちていますよきっと。

ちなみに先生の追実験の結果、不快な時間が10分あたりまででは、
抗菌力の差は見られなかったとのことです。
とすれば、どんな不快な状況も10分以内にチェンジできれば体に悪影響を受けにくいと言うことです。
小林先生がおっしゃるように
怒りのコントロールは人生の9割を良くするというお言葉は、まさにその通りなのです。
みなさん、怒っても10分以内に気分を転換しましょう。
そんなこと出来ないよ!と思いの方、腹式呼吸だけでも効果あります。
ぜひお試し下さい。その他にも様々な具体的な方法があります。

ご連絡下さい、お待ちしています。