二子玉川心理ケースワークオフィス

怒りは早めに解消するがお得です(前編)

緊張、不安、恐怖、うつもトラウマもパニックもすべては自律神経のはたらきです。
体と心にとって必要かつ、正しい反応なのです。

今回紹介します『「怒らない体」のつくり方』小林弘幸先生の著作は
先生のご専門である自律神経の観点から怒りをコントロールする
方法がまとめられている良書です。ぜひお読み下さい。

はじめにの箇所に書かれている

『怒りとは、激怒だけを意味するのでありません。(中略)
怒りたくても我慢したとき、そこから生まれる苛立ちや諦めも怒りのひとつです。』

「怒らない体」のつくり方

心身医学の御大であられた、故桂戴作先生は
学生時代、講義録プリント制作班の班長でいらっしゃいました。
卒業間際、職員室に用事で席を外しているつかの間に、
カメラマンが来て卒業アルバムの写真を撮影してしまったのです。
先生がお戻りになると、みんなが、はしゃいで「おい、桂、いま
アルバム委員が来て写真を撮っていったよ。」と桂先生が写って
いないことなど気にしていないのです。
この感覚、わかりますよね。
「なんで、カメラマンを止めてくれなかったの。」
「私がどんな気持ちになるか察しないの。」
「班長は俺だよ!」「信じられない~」ですよね。
桂先生はこれらの言葉をすべて心の中に納められたのです。
そして、その仲間5人で寿司屋へ、その時も先生の内心は
「なんでこんな奴らと」と思いながらも空腹には勝てず暖簾をくぐられたのです。

そして、翌朝、桂先生は下痢が止まらず、隔離病棟へ入院。
検査の結果「赤痢」だったそうです。保健所の調べで、お寿司屋さんのまな板から「赤痢菌」が発見されたのです。
さて、仲間の4人は? 4人ともみなさんピンピンとお元気だったそうです。

桂先生はこの経験からある実験を思いつかれます。
その話は後編に続きます。