トラウマスイッチ
トラウマスイッチがONになると
- 心臓がドキドキし、呼吸が浅くなる。身体全体が緊張する。
- ショックで混乱し、慌てて、何も手につかなくなる。
- 気持ちが滅入り、落ち込む。
- 気分転換したいが、ふて寝やスマホやゲームばかりでかえって自己嫌悪
- 怒りにより批判的になる。人や物や時代のせいにする。
- お酒や、ギャンブル、エロに逃げる。
- なんでこんな事になったのかばかりに目がむき、今やるべき事が出来ない。
- 今やるべき事を理解して、粛々と行動する。
皆様、トラウマスイッチはONになってはいませんか?
コロナウイルス問題、イベント自粛、マスクが無い。会社はどうなるのだろう?
日常的にも人前で話さなければいけない、苦手な人のいる会社への営業、怖い上司にミスした事を報告しなければいけない。
明日から試験だ。
この様に多かれ少なかれ、トラウマスイッチが起動します。
トラウマスイッチは、正常な機能です。
死の危険や強い情動反応を回避するために機能しています。
特に幼少期の経験はトラウマスイッチのあり方を決定づけます。
トラウマ的な経験をすると脳の扁桃体系により学習されます。
扁桃体系は、「転んだ時に手を突く」行為に表される様に瞬間的に守るための働きですが、一連の出来事と反応パターン学習します。
次の時に対処できる様にするためです。
これは良いのですが、厄介なのは学習機能です。
扁桃体系は無意識的に、迅速に自動的に働き、その時に記憶された恐怖記憶は決して消える事がなく、感情や思考と言った新皮質系にも影響を与えます。
この学習によりトラウマスイッチが形成されるのです。
扁桃体系(大脳辺縁系)VS前頭前野(新皮質)で扁桃体系が勝者になり優位になると
トラウマスイッチがONになります。
解っちゃいるが、怖くて、不安に包まれ、無気力で悲観的で、頭が働かないが悪い予感ばかりは冴え渡る状態です。
扁桃体が優位になっても、すぐに修復出来るといいのですが
持続させると
- 1、退行、幼児返り状態
- 不安でいっぱいで、悲しくて、時には見境なく感情を表出し、結果も考慮せず怒り出すような状態。
- 2、心が荒んだ不良状態
- 受け身で無力な子供に戻り他者に服従する。回避的になり、引きこもる。薬物乱用、性的逸脱。他者を不当に扱ったり、怒りをあらわにキレやすくなる。お祭り騒ぎや突拍子もない行動。試し行為や気引き行動の多発。
- 3、批判的親状態
- 自分の親を内在化し、自分がその親である様に振る舞う。自分を悪い子としてお仕置きする。自分に対し過度に高い基準を押し付ける。
この様な状態を呈していきます。
カウンセリングを受けていらっしゃる方の中でも、強烈なのがやはり1、2の退行、不良状態の自分を3の批判的親状態で責める。を長年繰り返していた方がとても多くいらっしゃいます。
これは、想像を絶する過酷さです。
しかし、この様な状態もしっかりと脱出可能です。
次回はヘルシースイッチの入れ方と題して
扁桃体が優位になった時の修復の仕方
トラウマスイッチからヘルシースイッチの変え方について述べてみたいと思います。
- パーソナリティ障害の認知療法 ジェフリー・E・ヤング著 福井至 他訳 金剛出版
- スキーマ療法 ジェフリー・E・ヤング 他著 伊藤絵美訳 金剛出版